耳鼻咽喉科Q&A:はな編



Q2:

スギ・ヒノキ花粉症とPM2.5、黄砂とは関係があるのでしょうか?


A2:

PM2.5と黄砂はスギ・ヒノキ花粉症を悪化させる可能性があります。PM2.5と黄砂はスギ・ヒノキ花粉の飛散する春に多く見られ、花粉の症状(鼻水、くしゃみ、目のかゆみなど)を悪化させる可能性があります。

@PM2.5とは?

 PM2.5は、大気中に浮遊している直径が2.5μm以下の微小粒子上物質です。成分は、化学物質、炭素、金属、イオン、発癌物質であるベンゾピレンなどが含まれ、主に石灰や石油などを燃やすことにより発生します。中国から飛んで来るものばかりと思われていますが、プリンターのトナーなどの身近なものからも出ます。例年冬から春にかけて変動が大きく、上昇する傾向がみられます。




A黄砂とは?

 黄砂とは、ケイ素やカルシウムを含む砂で、アジア西部の砂漠から偏西風により日本に飛んできます。春に多く、砂漠の細菌やカビ、飛来中に大気汚染物質(PM2.5など)を付着させてくることがあります。




BPM2.5や黄砂の人体への影響は?

 PM2.5は、粒子が非常に小さいため、肺の奥深く入り込み、喘息気管支炎の悪化因子となります。また、循環器系に影響を与える可能性もあります。日本に飛んでくる黄砂は、粒子が小さく軽い直径4mm程度のものが多く、PM2.5と同様に肺や気管支に入り、喘息や気管支炎の悪化因子となります。

                


CPM2.5・黄砂と花粉症の関係

 PM2.5や黄砂により、気道や目、鼻の粘膜が傷つけられ、様々な免疫細胞が傷口に集まってきます。集まってきた免疫細胞がIgE抗体(花粉等アレルギー物質に対する抗体)をたくさん作り、免疫反応が強くなります。傷ついた粘膜は、花粉症のアレルゲンが入りやすくなります。そこに花粉が入ってくるとヒスタミン(アレルギー症状を引き起こす物質)の分泌が増え、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった花粉症の症状が悪化します。

    

耳鼻咽喉科Q&A:はな編 へ戻る